約50年も前に生まれたミゼットだが、オーナーさんが大事に使用していたため、外装はいたってきれい。けれども、とうとうエンジンがかからなくなってしまったとのことで、電装専門店へ入庫してきたのだ。調べてみると、セルモーターに問題があった。
ミゼットのセルモーターは〝ダイナスターター〟という。ダイナモ(発電機)とスターターを合わせた造語で、発電とエンジンの始動をひとつのモーターで受け持っている。エンジンをスタートする時にはセルモーターの役割を果たし、エンジン始動後もオルタネーターとして働くのだ。
このダイナスターターはコンミテータとブラシが常に接触しているので、ブラシ交換のサイクルが短くなるのが欠点。スターターが回らない原因は、どうやら、ブラシが減って接触不良を起こしていたせいだった。
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ついにエンジンがかからなくなった! こんなに古い車でも直せるの?
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今回は、懐かしいクルマの登場だ。1957年に発売されたダイハツのミゼット。軽自動車枠の三輪車だ。若い世代でも、映画「ALWAYS三丁目の夕日」で見た人も多いと思う。今回のクルマは、1959年に登場したMP型というモデルだ。
古い車なのであきらめる?
不具合箇所を特定するため、まず室内からエンジン回りを点検。
頼りになる!ネットオークション
エンジンを始動するときは、このブラシが突出して電気が流れ、モーターがクランクを回し、エンジンがかかる。ブラシが磨耗してくると、エンジンがかかりにくくなるのだ。このミゼットのダイナスターターを分解してみると、ブラシが半分以下に磨り減っていた。
オーナーいわく、「ブラシはネットオークションで購入して持ち込む」とのこと。加工が必要だったが、以前もこのクルマの整備を担当していたこともあり、ブラシを持ち込んでから約2日間で修理完了となった。
最近のクルマやオートバイの多くは、スターターと発電機(オルタネーター)が別のパーツになっているのだが、ミゼットの時代は、構造も簡単でコストも安く済んだ一体型が採用されていたそうだ。
オーナーいわく、「ブラシはネットオークションで購入して持ち込む」とのこと。加工が必要だったが、以前もこのクルマの整備を担当していたこともあり、ブラシを持ち込んでから約2日間で修理完了となった。
最近のクルマやオートバイの多くは、スターターと発電機(オルタネーター)が別のパーツになっているのだが、ミゼットの時代は、構造も簡単でコストも安く済んだ一体型が採用されていたそうだ。
ジャッキアップし、下からも点検。ダイナスターターに不具合が見つかった。
昔のクルマを大切に乗っているユーザーは数多いが、故障したときに交換部品が欠品になっているのが悩みのタネ。数十年も前の車だと、メーカー側も対応していないのだ。けれども、今回のオーナーのように、ネットオークションなどで、レアなパーツが見つかることもある。また、同じクルマに乗るオーナー同士がネットを介して知り合って、部品を融通し合うこともあるという。
また、古いクルマの場合、メカの構造やクセなどの知識が十分にあるショップを見つけることも重要だ。ショップの自社サイトなどで、過去の修理実績を確認して、「ココなら!」と信頼できるショップに問合せしてみよう。
また、古いクルマの場合、メカの構造やクセなどの知識が十分にあるショップを見つけることも重要だ。ショップの自社サイトなどで、過去の修理実績を確認して、「ココなら!」と信頼できるショップに問合せしてみよう。
ダイナスターターのケースを外す。ブラシが顔を見せている。
ブラシの接地面。回転させながら4個のブラシを交換する。
交換用のブラシ。今回はオーナーがオークションで購入し持ち込んでもらった。
参考価格
約38,000円(部品は持ち込み)
工期:2日間
工期:2日間
取材協力
(有)ASANO